『死ぬ瞬間―死とその過程について』はスイスの精神科医であるエリザベス・キューブラー・ロスの著書です。
内容はガンなどの不治の病になり死を迎える人へのインタビューをして、死に至るまでの心の動きを研究したものです。
死に至るまでには、5段階あるとのこと。
・否認と孤立
・怒り
・取り引き
・抑鬱
・受容
自分の死を受容できると安らかになるようです。
エゴの自分からみると、とても恐ろしく感じてしまいますが、。
これは海外なのでインタビューに答える人は、キリスト教などの宗教をバックボーンに持っている人も少なくありません。
印象深いのは、宗教を持っている人は「死んだら天国に行ける」と信じているので死をあまり恐れないことです。
死はある意味自分ではどうにもできないことです。だから、自分でなんとかしようとしてもどうにもできません。
でも神様という絶対的な力を持った存在にすがることで、未来は安心だ思えるんです。
ある意味うらやましいとも思います。なぜなら、私は特別に宗教をやってないのでやはり死は怖いからです。
逆に言えば、私もなんらかの宗教や教えを信じれば死は怖くなくなるのかもしれませんねw。
例えば、死んでも意識はあるし魂として永遠に存在する。また、すでに死んだ祖先はあっちの世界でちゃんと存在しているし、輪廻転生を魂は何度もやっている。
これを100%信じれたら死は怖いものではなく単なる生命の変化に過ぎないと思えるでしょう。
『死ぬ瞬間―死とその過程について』自体は、かなり読みにくいというか量が多いです。ページ数は450ページほどあり、しかも字はかなり小さい。
ただし、死は誰にでも訪れるものであり死を恐れおののいて今という人生を生きるのではなく、死をどんなものか理解して今という人生を有意義に生きる方がいいはずです。
だとしたら、この本を読む価値は十分にあるでしょう。
自分が死ぬとしてもこのような精神科医の人と話す機会があれば、安らかになれるような気がしました。
日本の場合は死を忌むべきものとして遠ざけるきらいがありますが、死ぬ人にとって心地よくないものになっています。
今後、高齢化社会がさらに進むと病院で死ぬことさえ難しくなり、家で死ぬ人は増えるように思います。だとしたら、やはり死とどう向き合うか、これは死ぬ人だけではなく、死ぬ人の家族にとっても大事なことでしょう。
内容は難しいというか量が多いので、まずは立ち読みしてから購入するかしないか決めてもいいかもしれませんが、死を見つめ直すいいきっかけにはなります。