何かをマスターしようとする時に、
「マネをしろ」
と言われます。
マネをすることで学ぶんです。
昔の職人の世界では、師匠は弟子にやり方などを教えてませんでした。
弟子は師匠を見てその一挙手一投足をマネすることで学んだんです。
今の時代であれば、手取り足取りまたはマニュアルで教えることが多いと思います。
ですが、実は何も教えないほうが弟子の力は伸びるようです。
「それはなぜか?」
最初は、手取り足取り教えてたりマニュアルで教える方が、弟子の能力は伸びます。
ですが、このやり方だと「自分で自ら考えて新しく力を付けていく」ことができなくなってしまうからです。
実はここが一番辛くて苦しい部分です。
この一番つらい部分を乗り越えるためには、忍耐力や精神力が必要となります。
手取り足取りやマニュアルで学ばなかった人間の方が、この忍耐力や精神力が培われています。
なので、職人の世界のような腕一本で食べていくような仕事の場合は、あえて何も教えないやり方の方がいいようです。
ただし、この方法の欠点は人を育てるのに時間がかかることです。
この欠点を補うための方法が先日、「ガイアの夜明け」というテレビ番組で紹介されてました。
この方法だととても短期間で、一定のレベルまでは到達するようです。
やり方は、ベテランの職人のやり方をビデオで撮影しておいて、それを弟子(新人)に見せて頭にイメージを作っておいた状態で、それをマネして覚えていくというものです。
昔の職人の育て方と違うのは、
・IT技術を使いやり方を頭にたたき込めること
・弟子(新人)どおしで同じ情報を共有して切磋琢磨できること
です。
ただ、このやり方だけでは熟練にはなれません。なぜなら、ビデオを見るだけで熟練の職人の仕事がすべて学べるわけではないからです。
ですから、あるレベルをさらに越えるためには、自らがどんどんと経験を積んでいく必要があります
このように、工夫をして人を育てることはとても大事です。
勝手に育つ人はいいのですが、学び方教えることで育つ人も多いですから。
このような教え方は、職人の世界だけでなく他の仕事でも参考になるはずです。
もし、人がなかなか育たないというのであればたぶん、育て方が悪いのだと思います。
逆に言えば、今人が育っていなくても育て方を変えることで、人が育つってことですね。