元ボクシング世界王者の鬼塚勝也さん。

今はボクシングジム経営をしながら、絵を描いている。

そもそも、なぜ、ボクシングを始めたのかというと、その理由はコンプレックスだったそうです。

鬼塚さんは、ぜんそくで身体が弱かった。これが、コンプレックスで強くなりたかった。

それで、弱いにも関わらずボクシングを。そして、チャンピオンになりたいのではなく、チャンピオンになると決めて突き進んだ。

強くないから、判定勝ちばかりだった。でも、網膜剥離となりボクシング引退。

引退時、俺は空っぽっになったと言い残した。その後、何もやることがなくて友人がいるLAへ。でも何もやることがない。

そんな時たまたま見つけたLAにある日本の幼稚園の仕事。何とか園長に頼み込み、仕事を得た。そこで、描いた絵が子供達に喜ばれた。

その時、「そういえば、小さい頃から絵を描くことが好きだった」ということを思い出した。

そして、その時から絵を描き始めたそうです。

ボクシングと絵画。全く違うようだが、どちらも腕一本でできること。

今では個展を開くほど。

独特の絵はすべての奇抜なキャラクターの自画像。

鬼塚さんは、子供が描くような線を描きたいと語っていた。なぜなら、その時の線はあるがままで自然で素晴らしいから。

しかし、意図的に描こうしてもうまく描こうとしてしまってダメ。むしろ、疲れている時とか酔っ払って意識がない時に描いたほうがあとでみて、いい線が描けたと思えるような線を描けるそうだ。

何かを表現したい。そして、自分のコンプレックスである弱さを克服したい。

今もボクシングで戦ってきたときと同じなのかもしれません。

ちなみに個展を開いた時、絵は1枚数百万円で何枚も売れたとか。でも、今は売らないようです。

売るためではなく、描くためであり、売ることで自分が描きたいものが描くなると思っているのかもしれません。