NHKのこころの時代に愛知県岡崎市で「ホスピス研究会OKAZAKI」を主催している金田亜可根さんが出演をしていました。
金田さんは、がん患者やその家族を自宅に招き、手料理を振る舞って話しを聞くという活動をしています。
がんは、2人に1人がかかる病とされています。この数字だけを見ると、がんになるのではないかと怖くなるかもしれません。
が、「2人に1人がかかる」時期は、80歳ぐらいの時。つまり、がんになる時期はほぼ寿命です。つまり、がんで死ぬのは寿命で死ぬのと同じことです。
さて、番組の中で金田さんは、「普通の今を生きる」がすごく大事だと語っていました。
がんになると不安になるし怖くなるし苦しいと思います。
治療ができればいいですが、それも今の医学では無理なこともあります。
病院での治療はすべきでしょうが、だからといって苦しみは減らないです。だって、がんであることはずっと続くのですから。
この苦しみを少しでも減らす方法が、「患者会」だったそうです。病院はがんを治療するために通いますが、「患者会」は、患者さんの強い要望から設立されました。
「患者会」で同じがんという病気を持っている人同士が自分の思いをお互いに話すことで、苦しみは減っていきます。
そしてさらに、金田さんは、がん患者と学生(芸術を志している)との交流の機会を作ることもやられてました。
がん患者の方が語った言葉を元に学生のイメージをさせて絵を描かせました。その後、がん患者の方と学生が実際に会って話しをするのです。
患者の方々も学生も共に、いい時間を過ごしているようでした。
この中に苦しいときにどうすると楽になるかのヒントがあります。
・人とつながること
です。
生きるってことは、苦しいことがいろいろありますが、人とつながることで苦しみを減らしより強く生きることができます。
そして、今を生きるってことはただそれに専念するだけです。理想は何も考えずに淡々と生きることでしょう。
草木は自然です。小さな種がだんだんと育ち、やがて成長し種を残し、自分は散っていきます。
人間も同じです。赤ん坊として生まれ育ち、やがて成長し子を残し、自分は死んでいきます。
当たり前のことを当たり前のようにやっていく。
今を生きるってことは普通のことでこれ以上でもこれ以下でもなく、あるがままです。
金田さんの語る「普通の今を生きる」とはある意味、自然であり悟りの生き方のようにも思えます。